シグ社が2013年に発表した、新型のサブマシンガンが「MPX」シリーズである。 シグ社曰く、完全閉鎖型のロータリーロッキングボルト方式を採用した世界初のサブマシンガンである(同様の作動方式用いた短機関銃が過去に存在するが)。 MPXはコンパクトサイズのボディに高いカスタマイズ性を備えている。簡単な作業でバレルなどを交換できる他、1つの銃で9x19mmパラベラム弾と.357SIG弾、.40S&W弾の3種類の異なるサイズの弾丸を使用する事が可能。 モデルバリエーションとして基本モデルのMPXの他、銃身を切り詰めたコンパクトモデルのMPX-K、MPXからストックを取り外したピストルモデルのMPX-P、カービンモデルのMPX-C、内蔵サプレッサーを装着したMPX-SDが存在する。
SIG MPXの大きな特徴としては、M4等のAR-15系統のアサルトライフルを小型化したような特徴を備えている点である。 作動方式は拳銃弾対応の銃に多いブローバックやリコイルオペレーションなどではなく、自動小銃などが採用しているロータリーロッキングボルト・ガスオペレーション方式であり、また過酷な条件のもとでの信頼性を得る為にショートストロークピストンを採用する。 とりわけ操作面の方はAR-15系統を非常に意識したものとなっており、外観のデザインも所々類似した箇所が見られ、上下のレシーバーがアルミ合金製でヒンジを介して固定されている点などは全く同じである。 加えてモノリシック・アッパーレシーバーを採用することで、バレルをフリーフロート化し、レールインターフェース部が命中精度に悪影響を与えないようにしている。これは近年のAR-15カスタムやSCAR等でも見られる構造である。 内部のコンポーネントはさすがにそのままということはないものの、ボルトアセンブリやチャージングハンドルの形状、全体的なレイアウトなどAR15と似通った点が残っている。
さながら小型のアサルトライフルといったこれらの機構は、エネルギーの小さい拳銃弾を用いるには少々過剰な機能を持つように見えるものの、シグ社の説明ではそれゆえに低反動と高い信頼性、汚れや事故に強い構造を実現しているとのことである。 そしてAR-15スタイルに似たデザインにすることで、優れた操作性と拡張性を持つとされる。
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